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4畳半でスワッピング
第10章 姉夫婦の訪問

春菜さんは軽い気持ちで姉夫婦に問いかけたのです。
「結婚して3年で、赤ん坊はまだなんですか?」
その一言で、姉夫婦の表情がこわばった。
一瞬にして会話が途絶え、意味ありげな沈黙がその場の空気を重く沈殿させた。
桃代は黙ってうつむいている。
その空気に耐えられず、冬彦さんが苦し気に声を絞り出したのです。
「僕のせいなのです。僕の精子機能に問題があって、子供を授かることができないのですよ。治療は無理だと断言されて、体外受精や人工授精を勧められたのですが、どんな人間だか分からない他人の男の精子を妻に受精させるなんて、どうにも許せなくて気が進まないんです。かといって、他人の子供を譲り受けて養子にする気にもならない……」
しばらくの沈黙の後、春菜さんがぶっきらぼうに言い放ったのです。
「お姉さんの生殖器に問題がないんだったら、簡単に解決できる方法があるじゃないですか」
3人の視線が春菜さんに注がれます。
揶揄を咎めるように眉をひそめて、桜子さんが問い返します。
「簡単って? どうすれば解決できるんですか?」

