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4畳半でスワッピング
第10章 姉夫婦の訪問

モヤモヤとして煮え切らない空気を、春菜さんがざっくりと切り裂いて断言します。
「大切なことは、他人から譲られた養子なんかじゃなくて、身内の精子で赤ん坊を生んで、自分で育てるってことじゃないですか? 自分が生んだ子供なら、愛情だって深まるでしょう。人工授精なんかしなくてもいいんですよ。受精行為なんて、一瞬の儀式で済むんだから。そうじゃありませんか、お兄さん?」
「うーむ、確かに、養子ではなくて……僕たちの子供を育てたいが……うむむ」
桃代は姉夫婦の反応をうかがうように、相互の顔を見比べて、当たり障りのないように取り成します。
「あ、あの、今すぐにじゃなくても、二人でゆっくり考えたらどうかしら」
桜子お姉さんは、コホンと咳払いをして間を置きます。
そして、妹である桃子の気持ちを推し量ります。
なにしろ、受精のためには、夫である僕との性行為が必然なのですから。
「ゆっくり考えてって言うけどさあ、あんたは、いいの?」
「私はいいよ。金太郎で役に立つなら、協力させるから」
桃代は僕の意見も確認せずに、勝手に僕を生け贄にして即答します。

