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第16章 土曜の午後

キッチンのカウンターに食材を並べて、材料の準備をする。

西日が傾いて、夕焼け空が見える。

そうさんがいきなり後ろから抱きしめる。

「ちーちゃん、北海道に行くの？」
重い空気と共にそうさんが低い声でつぶやくように話す。

「はい、来週からお休みいただいて」

「本当に女友だち？」

「勿論」

「ふーん」

「何か不満でもあります？」

「相変わらずだね」

「私の夏休みですから。それよりもそろそろ始めませんか？」

ふーっと息を吐いたそうさんが手を洗い、準備を始める。

そうさんが料理が出来そうなので簡単に説明をして、見守る事にする。

包丁の使い方は少しぎこちないけれど、丁寧に切っていく。
チキンと野菜とトマトジュースを鍋に入れると鍋の香りをかぎながら嬉しそうにしているそんな姿がほほえましく思える。

ご飯とお味噌汁の手伝いをして夕飯が出来上がる。

「いただきます！上手くできたと思うけどな」
自分で作った料理に驚きながらも美味しそうに食べるそうさん。

「とまとのソース、そうさんの得意なパスタにかけても美味しいですよ」

「確かに、明日はパスタにしてみよう」

「料理男子はもてますよ」

「そういう事を何故言うの」
少し不機嫌そうにそうさんが返してくる。