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ひまわりの花束
第22章 好きってどういう事?
自分の感情をなるべく出さない様にこらえて、抱きしめるそうさんの手を解いて振り向きそうさんの胸に顔を埋めると、ぎゅっと抱きしめてくれる。

「ごめんなさい」こらえていた涙が溢れてしまう。

「今は何も言わなくて良いよ。それよりも泣いたまま帰らないで」そう言って私を抱きしめる。

抱かれたまま、こくりとうなずいて、このままじゃ帰れないという思いとずるいと思う気持ちを抱えて

「もう少しだけ、こうしていても良いですか?」

我がままだと思いながらもそうさんに甘えてしまっている。

「うん、ちーちゃんの気が済むまで良いよ」
いつもと変わらない口調のままそう言って、髪を優しく撫でてくれる。

触れ合う身体でそうさんの体温を感じながら、優しく髪を撫でられているうちに気持ちが少しずつ落ち着いてくる。

「ありがとうございました。もう大丈夫です」笑顔を作って思い切ってそうさんから身体を離す。

「送っていかなくて本当に大丈夫?」どこまでもそうさんはやさしい。

これ以上、自分勝手に甘えるわけにはいかない、そう思い切って再び涙がこぼれそうになるのを堪えて「大丈夫です。帰れます」

泣かない様に、笑顔になれないけれど、笑顔になるようにと思いながら答える。

そんな私を少し見つめ、考えた後、「じゃあ、下まで送るよ」そう言って靴を履いて一緒に玄関を出る。

しーんと静まり返った廊下に出ると、自然にいつものように手を繋いでくる。

ドキリとしながら、良いのかと思いながら俯いてそのまま手を繋いで歩く。

ボタンを押すとエレベーターが間もなくやってきて、手を引かれエレベーターに乗り、ドアが閉じた瞬間ギュッとだきしめられる。

「またご飯教えてくれる?」不安そうなそうさんの声が聞こえる。

また?こんな私でも良いの?どこか不安に思いながら抱きしめられたまま、こくりとうなずくと

「良かった。また誘うね」そう言ったそうさんの声がいつもの声に戻っているようで、どこか許してもらったような気分になってホッとした自分がいた。
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