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ひまわりの花束
第23章 頑張ったごほうびなんて
週明けそうさんと顔を合わせるのにためらいがあったけれど、仕事を休むわけにはいかない。ため息が出そうになりながら電車に揺られていく。こんな日は会社に着く前にぐったりとしてしまう。

今週はいつもの仕事の他に、そうさんのアシスタントも業務の予定となっていたことを思い出すと、更に気が重い。

いつもの様にパソコンに向かい請求書を作り始める。思いのほか枚数が少なく、アッと言う間に報告書を作り終えてしまうと、後はそうさんのアシスタントだった。

勇気を出してそうさんの所に行って、ドキドキしながら声をかけると、今までと変わらない対応をしてくれる。
ありがたいけれど、それはそれで気を使ってくれているのだと思い、会話が続かないがアシスタントとして頑張る事にした。

今回はクリスマスツリーや秋、冬ガーデンのデザインだった。
もうそんな季節なんだ。半年位シーズン前倒しで仕事をしていくのだから当たり前だけど、まだ私にはイメージしにくい。

季節感に戸惑いながらアシスタントをする。

見積書提出し、そうさんがクライアントさんと打ち合わせをして、手直しをするを繰り返していく。

庭のサイズは色々で、冬の庭は植物も限られてしまうけれど、そうさんのデザインはどれも素敵だった。

素敵な庭を思い浮かべていると、気持ちも落ち着いて来て、少しずつ前のようにそうさんと話ができるようになってきていた。

大きなデザインが終わる頃には私も達成感で嬉しくなっていた。

「ちーちゃん、アシスタントありがとう。昨日のデザイン、これからクライアントさんの所に届けに行ってくるよ」

「OKがもらえるといいですね」

「うん、ちーちゃん頑張ってくれたもんね」

「そうさんのデザインが良かったからですよ」

「そうかなぁ。ありがとう。ねえ、今度の土曜日打ち上げしよう。がんばったご褒美」

私は精一杯今までのように何とか会話をしている状態なのに、打ち上げという言葉に返事を迷う。

土曜日というとそうさんの部屋なのかな?

取り敢えず仕事だからと頑張ってアシスタントしてきたのに、私はまだ答えを返せずに過ごしている。そうさんの気持ちが判らない。

色々な事が頭をよぎって考え込んで返事をすることが出来ずにいる私の気持ちを見通しているのか

「答えはいらないよ」そう言い残して、クライアントさんの所に出かけて行ってしまった。


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