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第24章 秋

明日も休みを貰ってしまい、そのまま週末になる。しっかり治して、来週から仕事を頑張らないと。そう思いながら駅に向かう。

駅前まで来たとき、駅の中から速足で歩いてきたスーツ姿の男性とぶつかってしまった。
あ！危ない！と思った時には、よろけてしまっていた。

「大丈夫ですか？」ぶつかったスーツ姿の男性が心配そうに手を伸ばして倒れないように支えてくれる。

「あ、すみません、ぼーっとしてしまい。ありがとうございます」
そう言い終わらないうちに

「ちーちゃん、大丈夫？」
誰かが走って来た。

声のする方を見ると、そうさんだった。

「すみません、ありがとうございます」そうさんが私を支えてスーツ姿の男性にお礼を言うと、男性は安心したようで立ち去った。


「そうさん、なんでここにいるんですか？」
ずっと続いている気まずさを隠すように、単調に話をしている自分に気が付きながら会話を続ける。

「打ち合わせの帰りだよ。ちょうど駅から出てきたら、ちーちゃんがぶつかってよろけていたから。ちーちゃんこそどうしたの？」

「仕事していたら熱が上がってしまって、風邪気味だったので、これから帰る所です」

「大丈夫？」そうさんが私のおでこを触る。

「熱あるじゃん。電車で帰るの？」

「はい、大丈夫ですよ」

「タクシーで帰ろう。俺送っていくよ」

「そうさん、仕事中ですよ」

そう言って私の手を引いて、タクシー乗り場に連れて行き、私をタクシーに乗せる。

タクシーのシートに座り、ホッとした瞬間。

「ちーちゃん詰めて、心配なんだよ。送って行くって言ったでしょ」そう言ってそうさんが乗って来た。