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ひまわりの花束
第26章 大好き
結局はっきりと答えないまま、ソファーの上で一緒に過ごす。

「はあ、なんだかお腹空いてきたな」

そうさんの声に、窓の外を見ると、街の灯りが灯りはじめている。

「もうこんな時間なんですね」時計を見上げながらあっという間に過ぎて行った時間を思い返してみる。

何処にも出掛けず、のんびりとした1日だったな。そう思っていると

「ちーちゃんご飯食べよう、っていっても何が出来るかな?」

そう言いながらそうさんがキッチンに行き、冷蔵庫の中をみている。

「今夜は私がお礼に何か作りますよ」

「いいよ、俺も作る。一緒に作ろう」

「でも、何にしますか?」

「じゃがいもと、玉ねぎ・・・そうだな、カレーか肉じゃがかな?でもカレールーが無いかも」

「肉じゃがにしましょうか?」

「肉じゃがなら作れそうだよ」

「そうさんに肉じゃがお願いして、私が他のものを作りますね」

そう言って、2人で調理を始める。

そうさんのじゃがいもの皮は厚剥きで、ごろごろしているし、玉ねぎを切る度に涙が流れて

隣で調理しながら笑ってしまう。

お味噌汁とサラダとご飯が出来上がる頃には、味見をしているそうさんが首をかしげながら

「うーん?ちーちゃん味見して」

と小さなお皿にじゃがいもを乗せて持って来る。

「良い色してますね」

「食べて見て」そう言って箸で食べさせてくれようとする。

口を開けると

「あ、ちょっと待って、熱いかもしれない」

急に箸を下げられ恥ずかしくなる。

「どうしたのちーちゃん?赤くなってる。可愛いんだけど」

私の気持ちに全く気が付いていないように笑い、楽しそうなそうさん、

「待ってて」そう言ってフーフーと冷まして

「これなら大丈夫」と嬉しそうに私に食べさせてくれる。

食べさせてもらうことで更に恥ずかしくなる。

恥ずかしさを紛らわせる為に、

「あ、美味しいです。ちょうど良い味です」いつもより大きな声で答える。








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