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ひまわりの花束
第12章 花火の夜
公園にはたくさんの人がいたけれど、端っこの大きな木の奥に見晴らしの良いスペースを見つけた。崩れかけた石垣がちょうど椅子のように座れる。

周りに誰か知っている人はいないか気になり、キョロキョロするといきなり頭上で大きな音がして大きな花火が打ち上げられた。

「きれい!」思わず大きな声が出ていた。
今年初めての花火大会、近くで打ちあがる花火にドキドキする。

「これ、ちーちゃんの分」そう言ってそうさんが缶ビールを手渡す。

横でそうさんがビールを開ける音がする。
「ちーちゃんも飲んだら?」と誘われ缶ビールを飲む。
「冷たい!」
緊張からなのか、この状況になれないからなのか、いつも以上に酔いが回る気がする。

次々上がる花火と歓声を聞きながら花火を楽しむ。
「あ、お花だ」「ハート型かわいい!」周りの歓声に負けないくらい声が出る。

連続して大きな花火が上がる。
きれいと思った瞬間花火が突然見えなくなった。唇に何かが触れた。
気が付くとそうさんがキスをしてきた。
「えっ!」驚いて声が出ない。

「大丈夫だよ、みんな花火に夢中だから、誰も見ていないよ」
耳元でそうさんが囁く。

うつむく私に
「ちーちゃんそんなに驚かなくても良いじゃん」
そう言ったそうさんが私の顎に手を添えて、私の顔を上げる。
薄暗い中そうさんと目が合い、恥ずかしくなる。

そうさんに肩に手を回され抱かれ、何も考えられなくなりボーっとしていると、またキスをしてきた。そうさんの舌が私の中に入ってきた。
私の舌に絡めるように動く、恥ずかしいのに声が出てしまう。
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