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貴方を諦めます
第16章 彼女は手強い
30分くらいすると、香織の頭がコテンと俺と反対側に傾いた。



「香織?」



寝てる……


お風呂に入ってすっぴんになった香織の寝顔はあの時のままだ。


長いまつ毛に、白い肌、ピンク色をした形のいい小さめの唇。



頬に触れても香織は起きない。


一度寝ると眠りが深いのか、なかなか起きなくなる。


テレビを消して香織を抱き上げて寝室に向かうと、ベッドに下ろす前に香織が俺の胸に擦り寄ってきた。


寝てるから無意識っていうのは分かる。


でもそれだけでも嬉しくて心が満たされている感じがした。





ベッドに一緒に入って暫く香織の寝顔を眺めていた。


多分、ずっと見てられる。


でも、たまに頭を遮るのは香織に彼氏がいたって事。


このベッドで一緒に寝て、愛し合ってたって想像するだけで腸が煮え返ってくる。
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