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貴方を諦めます
第16章 彼女は手強い
───────…


そして1ヶ月後。


東京に越してきて初日。



今日は引越しの片付けを済ませて、気分転換に透と居酒屋に来た。



「涼さんってなんでずっと女作んないんすか?ルックスいいのに勿体ないっすよ」

「好きな人いるから」

「マジっすか!じゃあ告ったらいいじゃないっすか、涼さんから告られて喜ばない女なんて居ないっすよ」

「丁重に断られたけど」

「えぇ!?」



そんなビックリする事でもないと思うけど。



「どんな人っすか?涼さんを振るなんて相当レベル高いって事っすよね」

「まぁ…、凄く綺麗な人だね。性格も外見も完璧だと思うけど」

「その人、何処にいるんすか?東京来て会えなくなったりとか…」

「その人はずっと都内で仕事してるから、東京進出はいいきっかけだった」



お酒を飲みながら透は色々聞いてきた。

何処で出会ったかとか、写メはないかとか、なんの仕事をしてるかとか。


そう言えば香織がどこの会社で働いてるのか聞いてなかった。



「その人、俺も会いたいっす」

「駄目」

「え~…、そのくらいいいじゃないっすか」



駄目に決まってるでしょ。

もし香織が透に好意を持ったら最悪だし…
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