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貴方を諦めます
第17章 彼との時間
先に私の下車する駅に着いて、涼ちゃんは名残惜しそうに「またね」と言って私の髪を一撫でした。


そんな事をされると余計に意識してしまって心臓がドクンと鳴る。


マンションに帰っている間に酔いもすっかり覚めたから、私はゆっくり湯船に浸かることにした。



その日はなかなか寝付けなくて、涼ちゃんのことばっかり考えてしまって、頭が追い付かなかった。



今まで涼ちゃんから連絡してくれる事も殆どなかったし、なんならご飯に誘われたのは初めて。


涼ちゃんから好きって言われたのも、告白されたのも…









この時はまだ気付いていなかった。





止まっていた歯車が少しずつ動き出していることに───
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