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貴方を諦めます
第18章 彼女に漬け込みたい
焦った俺は直ぐに朱里さんの元へ駆け寄った。


「あの、すみません」


声をかけると、朱里さんはスマホを見ていた顔を上げ「あぁ、香織の同級生」と言い、足を止めた。



「香織は一緒じゃないんですか?」


「あら、聞いてないの?」



何が?

香織はどこ?

もしかして何も言わずに退職でもした?

また俺の前からいなくなろうとしてる?



たった数秒の間で、そんな事を思っていた。






「香織、昨日から高熱が出て今日は休みよ」



熱……?


「そうですか、いきなりすみませんでした。ありがとうございます」


一応、香織の同僚だからお礼を行って駅まで走った。



なんだ、熱でよかった……

いや、良くはないけど…、最悪の事態を想像してたから少し焦りが消えた。
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