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第19章 動き出した心

「そんなに深く考えなくていいんじゃない？なんか涼くんに一線引いてるように見えるし、受け入れてみるのもいいと思うけど」


「うん…」



確かに私は美紅の言う通り、涼ちゃんに一線引いてたのかもしれない。

あんまり深入りしないようにしてた。


離れていた時間で吹っ切れたから、また涼ちゃんにハマってしまう自分が怖かった。





ご飯を食べ終え、トイレから出てくる私に美紅が気付くと「スマホ鳴ってた」と教えてくれた。


バッグからスマホを取り出して確認すると、意外な人から電話がきていた。


なんの用だろう…。



「美紅…、正樹から電話だったんだけど…」


「え、何それ。寄りを戻したいとか？」


「そんな事ある…？もしそうだとしても無理…」


「違う用かもしれないし、折り返してみれば？」



正樹は以前付き合っていた男性。



急用とかではないと思うけど…

私の家に何か忘れ物でもしたかな？



そんなことを思っていると、スマホがまた鳴り出した。