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貴方を諦めます
第19章 動き出した心
画面を美紅に見せると「やっぱ急用じゃない?」と言われた。


続けて電話してくるあたり、用があるのは分かる。



「もしもし?」

『悪い、忙しかった?』

「ううん、友達とご飯食べてて気付かなかった。どうしたの?」

『今週の土日ってどっちか空いてる?』

「あ…うーん、どうだろう。スケジュール帳会社に忘れちゃって…」

『そっか、じゃあ明日また連絡してくれるか?』

「分かった」



スケジュール帳を忘れたなんて嘘。

それに、今週は何も予定は無い…


振ってしまった罪悪感なのか、会うのが少し気まずくて嘘を言ってしまった。


「正樹さん、なんだって?」

「土日どっちか空いてないかって聞かれた」

「正樹さんも未練あるのかもね。で、どうするの?」

「どうしよう…。できれば会いたくないけど…」

「もし寄りを戻りたいとかなら早めにキッパリ断りな。ズルズル引き摺っても相手も前に進めないよ」


そうだけど…、まだどんな用事か分からないし。
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