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貴方を諦めます
第4章 彼は優しい
─────ピンポーン



「んー……」


どのくらい寝たんだろう…


インターホンの音で目が覚め、重たい身体を起こして寝室を出ようとすれば、2回、3回と続けてインターホンが鳴る。



そんなに何回も押さなくても……





リビングのモニターを確認すると、ロックを解除しようとする手が止まった。



なんで涼ちゃんが居るの……?



玄関のドアを少し開けると、外側から勢いよく開けられた。


「涼ちゃんっ、なんでいるの?」

「香織が熱出してるって聞いたから」


美紅……

涼ちゃんに言わなくてもいいのに…。



「あ、涼ちゃんっ駄目!移っちゃうから帰って!」



部屋にズカズカと入ってリビングのテーブルの上に買ってきたであろう冷えピタや、スポーツドリンク、ゼリーなどを出している。



「涼ちゃんが買ってきてくれたの?」

「うん」

「ありがとう…」



立っているのが辛くなってきてソファに座ると、隣に涼ちゃんが座って私の額に手を当てた。
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