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密会
第3章 🌹June🌹
気持ちいい。
怖い
気持ちいい。
おかしくなりそう。
早く来て。来て来て。待ちきれない。
鼓動が高まり、熱っぽくなっていく身体。
加えて、フロントガラスに大量に降ってくる雨音、車内という密室が私の行為を更に大胆にしていった。
ギュッと目を瞑りながら絶頂が来るのを待っていると、全身に電流が走ったかのような快感が押し寄せ、ビクッと大袈裟なまでに身体が痙攣した。
獰猛な目で私を見ていた彼の唇が離れていく。絶頂を迎えた私の唇と彼の唇の間に、銀色の糸が僅かに張って、呆気なく切れた。
「このまま帰りたいか?」
私の濡れやすい身体や被虐趣味がある事を全て把握した上での、この発言。
意地悪以外の何者でもないが、「はい」と肯定する気もない。
口角を上げて笑う彼に対し、私は左右に首を振った。
「いいえ...お時間があるのなら、是非...ホテルで。」
そう小さく返答するのと同時に、頭を優しく撫でられる。
「たまらないな、お前は。」
下腹部が疼くような、とろけるような美声が鼓膜を刺激する。
再びエンジン音がかかった車は、目的地を大きく変更すると、煌びやかで愛憎渦巻く夜の街へと消えていった。