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密会
第4章 🌹August-1🌹
煩わしい蝉の鳴き声、茹だるような暑さとギラギラの直射日光に疲れ果て、スイカや素麺等、冷たい物が恋しくなる8月。
生徒は休みだが、高校教師は教育期間が開催する研究や研修への参加、後期にかけての授業計画やカリキュラム作成、部活動の参加等、決して暇ではない夏休みを迎える。
その中で何とか夏季休暇を取得した私は、8月の第一週目の金曜日を悠々自適に過ごし、夜の10時には眠りについた。
眠りが浅かったのか、変な夢を見た。
日比谷教頭と私が登場していて、
名前は一緒だったが、それぞれ立場が異なっていて、
日比谷教頭は、1年A組の担任の先生兼数学教師、私はその生徒の一人として登場していた。
私は、かなり頭が悪かったらしく、
特に数学が苦手で常に赤点を取り、おまけに制服も着崩していて、所謂ギャルのような格好だった。
彼のクラスには、他にも成績の悪い子や服装のだらしない生徒も多くいたが、私だけによく嫌味を言っていた。
私の性格も、今とは全く違う。
教師に敬語も使えず、生意気で、学校も毎日登校するわけでもなかった。不良の道に片足を突っ込んだような生徒だったが、恋愛経験だけは豊富だったようで既に恋人が居た。
7月の期末テスト、またしても数学で赤点を取ってしまった私は、夏休み期間の補習も面倒くさいという理由で行かなかった。
当然、学校から電話がかかってきて、翌日私は学校に呼び出される事となった。
夏休みを潰されるのも嫌だが、ガミガミ「親不孝な娘」だと母に怒鳴られるのも嫌だった私は、しぶしぶ自宅を出ると、自宅前に車が停まっているのが見えた。