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私のお部屋
第10章 運命の出逢い
「ばか野郎!!危ないじゃないか!」
圭一が罵倒すると
危険が去ってホッとしたのか
女性はそのまま気を失ってしまった。
「えっ?おい?どうした!?」
圭一は気を失った女を抱きかかえて途方にくれた。
もしかしたら衝撃を受ける程ではないが
軽く頭でも打ったのではないだろうか?
もしそうならば救護責任が生じる。
仕方なく圭一は女性を車の後部座席に横たえると
近くの救急病院に向かった。
検査の結果、どこにも異常はないようだった。
「多分、低体温症でしょう
体が冷たくなってますからね
まあ、この気温なのにTシャツ一枚ってのは
無謀という他ないですね」
とりあえず点滴しておきましょう
気がついたら帰っていいですよ
ドクターは、やれやれといった表情で
こんなことで担ぎ込むなよという感じで
病室を出ていった。
ほどなくして女性は目を覚ました。
「おっ!気がついたかい?」
「ここは…?」
「救急病院さ
ビックリしたよ突然気を失うからさあ」
「ごめんなさい、迷惑かけちゃった…」
「いや、それよりも車に当たらなくて
ホントによかったよ」
もし、少しでもぶつかっていたら
人身事故になっちゃうし
残りわずかの点数なので
そのまま免停になるところだった。
車を転がす商売の圭一にとって
免停は死活問題だったからだ。