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私のお部屋
第2章 家出
「あああ~ん、いい!!
気持ちいいわ!!」
母の喘ぎ声が一際大きくなった。
ベッドがギシギシ軋む音さえ
部屋の外まで聞こえてくる。
『やめてよ!ママ!!
そんなブサイクなオヤジに抱かれて
喘ぐなんて…
そんなママは私のママなんかじゃないわ!!』
一応、来客と見なしてコーヒーを入れたけれど
あんなオヤジに飲ませる事はないわ!
由香はキッチンに戻って
良い香りのするコーヒーを流し台に流した。
しばらくすると
やけにさっぱりした表情で
隣のオヤジが二階から降りてきた。
「お母さん、もう大丈夫じゃないかな
まあ、おじさんがこうしてたまに来て
お母さんの様子を見てやるから
由香ちゃんは何も心配することはないんだよ」
そう言って
勝手に冷蔵庫を開けて
缶ビールを一本取り出すと
「喉が乾いたから、コレ、もらっていくよ」と
まるで家族にでもなった態度で帰っていった。
それから少し遅れて母も二階から降りてきた。
髪がかなり乱れている。
激しいセックスをしたのよと
その姿は由香に物語っていた。
「由香…心配かけてごめんね…
ママはもう大丈夫だからね」
由香の心配をよそに
妙に清々しい表情で
「お腹すいちゃったわ…
何か食べるものある?」と聞いてきた。
「カップ麺でも食べときなさいよ!」
由香は捨て台詞を残して
ドスドスと大きな音を立てて階段を昇ると
そのまま自分の部屋に閉じ籠った。