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私のお部屋
第11章 呼び出し

「よくご覧なさい。
その出演している女の子に
見覚えはありませんか?」

校長先生に促されて
桃子は今一度スマホの画面をチェックした。

動画は女性の体を舐めるように映しだして
やがてバッチリと顔がわかるアングルに切り替わった。

「えっ?」

桃子は思わず凍りついた。
それは紛れもなく娘の由香だったからだ。

「私もそういう動画を見るのが好きなのよ
そして何気なく見たら
よく知っている子が出てるじゃない
それを見たときはホントに驚いたわ」

由香とPTA会長の息子さんと
しばらくお付き合いをしていて
何度かお宅にお邪魔していたので
彼女も由香の顔を知っていたのでした。

「たまたま私も一緒に動画を見ていたものだから
佐藤さんにその子が桃子さんの娘さんだと
知らされたのでそりゃあ驚きましたよ」

どうせベッドの中で性欲を高め合うために
淫らな動画を見て興奮していたに違いない。
校長先生とPTA会長が肉体関係にあることは
誰もが知っている関係なのだ。

「そこで豆田先生に確認したら
彼もまたそれを知っていて
由香さんに削除依頼をされていて
人知れず削除に奔走していたらしいんですがね」

「皆さんご存じかどうか知りませんが
そういう動画は削除依頼をして
どんどん消していっても、
またどこかのサイトで復活するという
イタチごっこでしてね…
まあ、いわゆるデジタルタトゥという奴なんです」

豆田先生は担任として
動画の削除に尽力してくれていたのだと
桃子は申し訳なく思った。

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