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第12章 淫乱娘

「私…ママに行き先も告げずに家出したわ…
そうよ、今もママには私がどこにいるのか
知らないはずよ」

そんなことなら
思春期の娘にはよくある事じゃないか
そりゃあ、確かに離婚してすぐに
男を連れ込んだお母さんも悪いけれど
そんなの話し合えば決着がつく問題じゃないか…

場合によっては自分が仲裁役に名乗り出てもいいと
圭一は由香の話を聞きながら
一人勝手にヒーローになることを考えていた。

「でね…転がり込んだ先輩の…
あ、この先輩というのは女性だから安心して」

由香は経緯を話ながら
少しでも自分が
圭一に嫌われない言い方をしているのに
気づかずにいた。

「でね…居候になるのが心苦しくて
私、少しでもお金を稼いで
先輩に渡したかったのね…」

さあ、いよいよパパ活について話さなければと
由香の鼓動が早鐘を打ち始めた。

「わかったよ
それで少しでも儲けがいい夜のバイト…
つまり年齢を偽ってホステスかピンサロにでも
働き始めたんだろ？
それで夜のお勤めが終わって寝不足で
ボーッとしてる時に僕が君を車で跳ねかけた訳だ」

圭一は一人でストーリーを組み立てて
由香の話の先回りをして
そんなことは些細なことだよと慰めようとした。

「ううん…ちがうのよ…」

由香は圭一が自分をふしだらな女ではないと
そう思っていることを打ち消す話をし始めた。