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私のお部屋
第12章 淫乱娘
あまり長くトイレに閉じ籠る圭一に
これは愛想をつかされたのだと由香は理解した。
ゆっくりと立ち上がると
昨夜脱ぎ捨てた下着を身につけ始めた。
ほんのひととき…
相思相愛のパートナーと
甘い夢を見させてもらったわ
何故だろう
立った一人の男にフラれたぐらいで
こんなにも涙が出てくるなんて…
着衣を済ませると
フーッとため息を一度だけついて
夢はいつかは醒めるものと自分に言い聞かして
全てを忘れることにした。
コンコン…
いつまでもトイレに閉じ籠る圭一さんに
別れが言いたくて待ちきれずに
トイレのドアをノックした。
当然の事ながらトイレの中からは
返事が反ってこない。
「圭一さん…聞こえてます?
あの…一晩泊めていただいて
ありがとうございました
私、こんなふしだらな女なので
ここを出ていきます…
一晩だけ可愛がっていただけて嬉しかったです
私、圭一さんのことは絶対に忘れません
どうか、いい人を見つけて幸せになってください」
お別れの言葉を告げている途中で
涙が止まらなくなって
涙声でのお別れになったので
ちゃんと聞き取ってもらえたかどうか…
由香の涙声を聞きながら
圭一は心の中で自問自答していた。
『くっそ~!
圭一、お前は由香ちゃんの過去に
そんなにこだわるのかよ!!
きっと由香ちゃんなりにつらかったんだと
そう思わないのかよ!!』
『よせよせ…
あんなやリマンのサセ子なんて相手にしたら
きっとどこかの男に声をかけられて
ホイホイと股を広げてやりまくるぞ』
どうするんだ圭一!
このままだと由香ちゃんは出てゆくぞ!
もう二度と会えなくなってもいいのか?
『いいや、よくない!
やリマンの、サセ子でもかまわない!
僕は由香ちゃんを愛しているんだ』
圭一は決意を固めてトイレのドアを開けた。