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私のお部屋
第13章 和解
一方、母親の桃子はというと…
豆田先生と肉体関係になってからというもの
すっかり亭主気取りで
自分の部屋を解約して
家財道具全てを桃子の家に運んできていた。
驚いたのは桃子だ。
ある日、突然に引っ越し業者のトラックが
我が家の前に横付けされて
荷物が運び込まれた。
「あの…これは一体…」
頭にタオルを巻いて
引っ越し業者さんと一緒に
せっせと荷物を運び込む豆田先生に
どういうつもりなのかと非難した。
「もう僕は桃子と離れなれないと決めたんだ」
「だからって私に相談もなく
こんなことをされては困ります」
「ホントに困ってる?
ずっと僕が傍にいた方がいいんじゃないの?
だって、毎晩、僕と愛し合えるんだよ」
そう言われるとぐうの音も出なかった。
ひと回りも年下の男とデキてしまうなんて
考えもしなかった。
荷物が家に運び込んでいるのを
隣のオヤジがめざとく嗅ぎ付けて
陣中見舞いを装って家に訪ねてきた。
「なんだい、なんだい…
空き部屋があるから
下宿屋でも始めようというのかい?」
まさか息子ほどの若い男と桃子がデキるとは知らず
豆田先生を下宿人とでも思ったようだ。
「いえ、下宿人ではありませんよ」
豆田先生が隣のオヤジに敵意むき出しで
僕と桃子さんはデキているとでも言わんばかりに
桃子の肩を抱いて胸を張った。