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私のお部屋
第13章 和解
「ママよ…」
- ママ?あのね、明日の晩には帰るからね~
ご馳走を用意して待っていてね、じゃあね~ -
それだけを言って通話はプツリと切れた。
「何て言ってた?」
豆田先生は気が気ではなかった。
「あの子、明日には帰ってくるって…」
「そうですか!
そりゃあ良かった」
ようやく由香の反抗期も終わったかと
豆田先生も安堵の胸を撫で下ろした。
「と、いうわけで…
先生、明日にはここを引き払って下さいな」
「ええっ?!
そんな殺生な!」
「だって…
私がまた男を連れ込んで
おまけに同棲までしようとすることを
あの子が知ったら、また家出をしてしまうわ」
「そんなあ…
ちゃんと僕たちが愛し合っていると話したら
利口な由香の事だからわかってくれますって!」
「そうかしら…」
「それに僕は昨日までの部屋を
すでに解約しているんですよぉ」
「そうだったわね…
困ったわ…どうしましょう…」
「僕はね、由香に認めて貰えるのなら
土下座でも何でもしますよ
変に隠し事をするのが一番いけません
あなたは由香の母親であると同時に
一人の女なんですよ」
桃子は悩んだ…
ようやく愛を手にいれかけていたのだから…
男を取るべきか娘を取るべきか、
桃子の心は揺れ動いた。