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私のお部屋
第13章 和解
翌日、桃子は
帰ってくると連絡してきた由香のために
腕によりをかけてご馳走を用意した。
全て由香の好物で
食卓一面を覆い尽くした。
同棲中の豆田先生はうまい具合に
職員会議とかで遅くなると連絡してきた。
会議の議題に由香の事も取り上げられるかも…
でも、そんなこと知ったこっちゃなかった。
夜の7時過ぎに
インターホンが鳴った。
「あの子だわ!」
インターホンの画面をチェックすると
紛れもなく由香本人だった。
『本当に帰ってきてくれた…』
由香の姿を久しぶりに見て
桃子は涙があふれそうになった。
ただ…由香の背後にもう一人の影が…
インターホンのライトが弱いので
それが誰かはわからなかったけれど
背の高さからして男性であると思った。、
「由香…お帰りなさい…
ドアのロックは開いているわ」
そう伝えると
カチャとドアノブが回って
「ただいま…」と懐かしい声がした。
「由香ぁ~、お帰りぃ!
ママ、本当に心配したんだからね!」
由香に駆け寄ってハグしようとしたら
由香の背後から「お邪魔します」と男の声がした。
インターホン画面に写っていたのはやはり男だった
「由香…どちら…」
どちら様かしらと由香に尋ねようとしたが
室内の明かりに照らし出された男の顔を見て
桃子は「あら?」と思わず声を漏らした。