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私のお部屋
第13章 和解

かしこまって目線を下に向けていた圭一だったが
桃子がすっとんきょうな声を発したので
初めて目線をあげて桃子の顔を見て
圭一も桃子同様に「ええっ?」と桃子に負けずに
大きな声を上げた。

「二人ともどうしたの?
大きな声をあげちゃってさぁ」

桃子と圭一の関係を知らない由香は
驚いた顔を見合わせる桃子と圭一を見て
怪訝そうにした。

間が悪い時は重なるもので
よりによってこんな時に
「ただいま」と豆田先生が帰宅してきた。

今度は由香が「先生!何でうちに?」と
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。


何がなんだかわからない由香ではあったが
大好物の料理の数々に
どんどんと食が進み
和気あいあいとした食事会となった。

しかし、由香以外の三人は
それぞれの関係をいつどのように打ち明けようかと
内心ハラハラドキドキしていた。

「さて、みんなそれぞれ
私に言わなきゃいけない事があるんじゃないの?」

食後のデザートを食べながら
由香が核心をついてきた。

「まず…ママと圭一は顔見知りなの?
最初に顔を合わせた時、すごく驚いていたわよね」

「えっと…その…なんと言うか…」

圭一が話し出したので
「私から説明させてもらうわね」と
桃子が慌てて後を引き継いだ。

純情そうな圭一の事だから
つい、うっかりと筆下ろしの事まで喋りかねないと
そう思ったからだ。



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