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私のお部屋
第13章 和解
「ほら、由香、ママがパパに会いに
北海道に行った事を話したよね?」
「ええ、いろんな男に引っ掛かって
散々な目に合ったのよね」
「そうよ。
最後にはだだっ広い草原で道に迷ってね
あのときはホントに凍え死ぬかと思ったわ
そんな時、彼がトラックで通りかかって
ママを助けてくれたのよ」
「ええ~っ!!ホントに?」
由香は隣に座っている圭一を
尊敬の眼差しで見つめた。
「まあ、困っている人を見たら
ほっておけない性分だから…
でも、お陰で僕は童…」
「そんなことよりも
どうして由香と知り合ったの?」
あのまま圭一に喋らせておくと
圭一の初体験の相手が自分だとバレるので
桃子は慌てて圭一の言葉を遮った。
「私もママとよく似たものよ
行く宛もなくフラフラしてたら
圭一に助けてもらって居候させてもらったの」
「まあ!じゃあ、親子の命の恩人ってわけね」
「そうよ。そして私は圭一を愛してしまったの」
ほら、ママ見て…
そう言って由香は左手の薬指に光るリングを
桃子に見せた。
「おい!」
圭一は焦った。
ちゃんと自分から由香にプロポーズを
受けてもらったと桃子に話したかったからだ。
圭一は背筋を伸ばして
この家に訪問してきた本当の理由を
話すことにした。