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私のお部屋
第1章 離婚
久しぶりにパパが帰ってきて
家族団欒の楽しい夕食…
の、はずが…
やけに食卓が暗い…
あ、いや、照明は煌々と灯っているけど
会話が…ないのよね…
きっと深刻な問題でも起きたのかしら…
『これは何かあるわね…』
娘心にも
そんな親の変化を感じとれます。
私がこの場にいちゃ不味いのかな?
いたたまれなくなって
私は「ごちそうさま」と早々に切り上げて
自分の部屋に戻ろうとした。
「由香、待ちなさい
パパからお話があるそうよ」
席を立とうとした私を
ママが引き止めた。
「お話?
それならサッサとしてよね
私、宿題もあるし忙しいんだけど」
「宿題なんてどうでもいい!
大事な話なんだ!」
柔和なパパが思いがけずに声を荒げたものだから
私はビックリしておずおずと着席した。
「パパたち…離婚するんだ…」
「へえ~、そうなんだ。離婚かぁ…
えっ?!離婚???」
私は二度見ならぬ二度聞きしてしまいました。
「パパね、ママよりも札幌の亜利砂さんが
好きになっちゃったんだって…」
亜里沙さんなら私も知ってる。
札幌の職場の同僚だとかいう人よね
パパが単身赴任だから
身の回りのお世話をしてくれていたのよね
まあ、男と女だもん
離れて暮らすママよりも
いつも一緒にいる亜里沙さんに
どうしても愛情が生まれちゃうわよね