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私のお部屋
第4章 叱られちゃった
「っつ…!!」
少し強く噛みすぎたのか
良美先輩は苦悶の表情で短い呻き声をあげた。
「ばか!痛いじゃない!」
今日は怒られてばかりだ…
パパ活だって、
良くできたわねと誉めてほしかったのに
そりゃあ確かに安い賃金だったけどさ…
どうしようもないイライラが沸々と込み上げてきた
「もういい!
男の喜ぶことを教えてもらわなくてもいい!
私は私なりに頑張るから放っておいてよ!」
良美先輩に啖呵を切ってしまうと
心の中で何かが爆発した。
「違うの由香…」
何か話したい素振りを見せた先輩を無視して
私は浴室に飛び込んだ。
『言っちゃった…』
あんな言い方は良くないと
由香は頭からシャワーを浴びて反省した。
居候の身でありながら
部屋の主に楯突くなんて…
きっと先輩は怒ってしまって
この部屋から出ていけって言うわよね…
ほんと私ってバカだわ…
シャワーの雫と一緒に涙が溢れてきた
ここを追い出されたらどこに行けばいいんだろう
そんなことを考えていると
浴室のドアが開いて良美先輩が入ってきた。
「ごめん…一緒に入っていい?」
入っていいも何も
この部屋は先輩の部屋なんだもん
遠慮すべきは私の方だ。
「どうぞ…」
私はぼつりとそう答えて
代わりに浴室を出ようとした。
その手を先輩が掴んで引き留めた。