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私のお部屋
第6章 危ない男
翌朝、由香は男と待ち合わせの
上野駅に向かっていた。
先輩には友人の家にお泊まりしてくると
嘘の伝言メモをテーブルに残してきた。
『先輩ったら、私が身支度のために
ゴソゴソしているのに起き出さないんだもん…
よほど昨夜は疲れるような事をされたのね…』
私も今夜、クタクタになるほど遊ばれるのかしら
由香の心にちょっぴりだけど
誘いに乗ったことへの後悔が出始めた。
このままキャンセルして引き返そうかしらと
そう思っていると背後から
「デートの由香さんですか?」と
年の頃は50代の男性に声をかけられた。
「はい…由香です」
「私、連絡をさせていただいた
高山和人と申します」
デートの契約を頂いてから、
キャンセルしようかと不安だったが
想像以上に紳士な男に由香はホッとした。
「あなたぐらいの若い年齢の彼女を
探していたんですよ」
新幹線に乗り込み、座席に落ち着くと
「これ、とりあえず前金です」と
封筒を差し出してきた。
中をチラッと覗くと10万円が入っていた。
「はい、確かに頂戴しました」
お金を手にしてしまったからには
もう後には引けないわ
由香はドキドキして
車窓の景色を見る余裕もなかった。