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私のお部屋
第2章 家出
「奥さん、どうした?ん?
元気がないそうじゃねえか」
私は寝室のドアに耳をつけて
中の様子を伺いました。
隣の旦那さんの
やけに威勢のよい声だけが聞こえてきて
ママの声は聞き取れない。
もしかしたら
隣の旦那さんの事など無視して
ふて寝を決め込んでいるのかもしれません。
「顔色があんまり良くねえな」
隣のオヤジはふてぶてしくベッドに腰掛けた。
熱があるんじゃねえのか?
オヤジはそう言って桃子の額に手をおいた。
「…わたし…離婚されちゃったんです…」
桃子は小さな声でオヤジに告げた。
「えっ?そりゃあ本当かね?
いやぁ~、奥さんを捨てるなんざ
バカな男だねえ」
バカな男でも好きだったんだもん!
桃子はそう言ってしくしくと泣いた。
「奥さん、泣きなさんな
町内の野郎共はみんな奥さんのファンなんだから
寂しいと言えばみんな慰めに来るってもんだ」
そのトップバッターは俺だけどな
隣のオヤジはそう言って
涙に濡れた桃子の頬を指で拭った。
本当?
慰めてくれるの?
ああ、本当だとも
だから、ほら、もっとこっちに来なよ
そう言ってオヤジは桃子に添い寝を始めた。
「嬉しい…
寂しいのよ…慰めて…」
いいぜ、ほら
そう言ってオヤジは図々しくも
桃子の布団のなかに潜り込みはじめた。