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ドン亀スプリンター
第5章 母娘丼?
 夏休みが終わり暦の上では秋というもの未々残暑が厳しい9月のある日曜日。
 雲一つない晴天。気温は35度を超えている。
 道行く人達はハンカチで汗を拭ったり日傘や扇子、小型の扇風機等を駆使して暑さを凌いでいる。
 そんな彼らとは違い俺は暑さとは関係ないクーラーのよく利いた立派な応接間のソファーに座りガラスコップに入った冷たい麦茶をストローで啜っていた。
 そんな、俺の前に座っているのはこの家の女主人だ。
 瓜実顔に肩までのセミロングの黒髪。
 大きな目は少し垂れていて仔狸みたいで愛らしい。この目元だけで実年齢より5、6歳は若く見える。
 すっと通った鼻筋、小さい口。
 全体の顔の造りが誰かを思い出させる。
 背は160㎝あるかどうか。
 年相応にポッチャリと肉の付いた肢体を半袖の白いブラウスと薄水色の膝丈のフレアスカートに纏っている。
 清楚な若奥様という感じか。
 スリッパを履いた脚が生足なのは暑い屋内ということで油断してたのだろう。
 予定外の突然の来客に対応しきれなかったようだ。
 「そ、それで今日はどういったご用件で」
 鈴を転がした様な綺麗な声が緊張の為か少し上擦っている。
 なにしろ今日の俺は派手な柄のシャツの上から安物のジャケットを羽織ったというチンピラみたいな風体だ。
 こんな奴にインターフォンごしに「娘さんの事でちょっと」なんて言われれば緊張せずにはいられないだろう。
 「そう怖い顔しないでよ。依子さん。」
 「なんで。」
 見ず知らずの男に下の名を呼ばれて顔が更に強ばる。
 話には聞いていたが美人というのは怒った顔も絵になる。
 「知ってますよ。大迫依子さん。43歳。海外への長期単身赴任中の亭主に代わり一人で家を守ってる良妻賢母。流石は名目梅園のOGだ。」
 ペラペラと自身のプロフィールを言われて顔色が悪くなる依子の前に内ポケットから取り出した写真を一枚差し出す。
 「そして変態だ。」
 写真を見た途端それを手に取り乱暴に破る。
 「もう一枚いかがですか?」
 ポケットから同じ写真を取り出したて顔の横で振って見せる。
 そこには畳の上に座っている若き日の依子が写っていた。
 全裸で荒縄の戒めを受け。
 股間に太いバイブレーターを突っ込み。
 惚け蕩けた顔をした淫乱女。
 「ど、ど、どこで。」
 「どこでもいいだろ?」
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