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ドン亀スプリンター
第6章 一年の計は
 「ごきげんよう。よいお年を」
 「ごきげんよう。メリークリスマス」
 挨拶を交わしながら少女達が校門から出てきては左右に別れていく。
 今日は12月24日。
 言わずと知れたクリスマスイブ。
 そして梅園学園の二学期終業式だ。
 明日から冬休みとあってどの娘の顔も明るい。
 まあ、中には成績が振るわなかったのか肩を落としている娘もチラホラ見えるがこれはご愛敬だろう。
 さて、我がお姫様は・・・っと。
 居た居た。
 何人かの友達と団子になって出てくる。
 あの表情なら成績表を前に説教する必要はないだろうな。
 ハンドルに顎を乗せてのんびりと考えてるとこちらに気付いた宣子は友達に「ごきげんよう」と一礼してから駆けてくる。
 ドタドタドタドタ。
 相変わらずの鈍足だ。
 「ママ!」
 車の横に立って待っていた依子に一度抱き付くと鞄を手渡して手ぶらで助手席のドアを開け乗り込んでくる。
 続いて後部シートに依子が座りドアが閉められる。
 傍目からは迎えに出た母親に少し我が儘に甘える娘の仲の良い家族のワンシーンに見えたろう。
 「ちょと!恥ずかしいから外で待ったりしないでよ!」
 「ご、ごめんなさい。」
 甲高い声に叱責されて依子は小さくなる。
 9月のあの日以来大迫家のヒエラルキーは大きく変動した。最底辺はここに居ない父親謙弥。次が母親依子。その上に宣子。頂点は俺だ。
 これは奴隷の序列でもあった。
 俺にとって一番大切でお気に入りなのは宣子であって依子はその母親というオプションでしかない。
 正直に言えば依子が普通の母親として居る限りは放課後宣子と楽しむ事が出来ないので仕方なく奴隷にしたのだ。
 最初の内は依子もなんとか母親の威厳を取り戻そうと努力したようだが俺に一睨みされてその気力もバッサリと根元から刈り取られた。
 宣子も馬鹿ではないので人目が有るところでは母親にべったりの甘えん坊を演じているが時折隙をみて母親の太股や尻を抓ったりしている。
 最近では愛娘に苛められるというシチュエーションに暗い快感すら覚えているようで先程みたいな神経を逆撫でするような行為をわざとする事がある。
 「車の中では仲良くしてくれよ。」
 「はぁ~い。」
 のんびりした宣子の返事を聞きながらアクセルを踏む。
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