この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
汚されたリクルートスーツ
第2章 悪夢の研究室

「え?こんな会社が、この時期に?」
「実はこの会社、僕が大学に来る前にいた会社なんだ。そこの採用担当者が昔の同期でね。業績が好調だから採用枠を拡大することになって、誰かいい人はいないかって連絡が来たわけ」
ゼミの先輩から大城教授はもともと民間企業にいたと聞いたことがあったけど、まさか、こんな大企業の出身だったなんて。
「そうだったんですね。でも…」
せっかくのいい話も
ここ数か月で自信を打ち砕かれた臆病な自分が邪魔してしまう。
「ん?でも?」
「いえ…でも、わたしなんかが受けていいんでしょうか」
「なんだそんな心配か。谷村さんは、自信をもっていいよ。これまでは少し運がなかっただけ。僕からも推薦するよ」
何度も選考で落とされ、自分を否定されつづけた真由にとって、希望の一言だった。
無意識に涙が溢れ前がみえなくなる。

