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汚されたリクルートスーツ
第2章 悪夢の研究室

研究室は普段、授業やゼミを行う講義棟と別棟にある。
ここ数年で講義棟は改修され新しくなったが、真由の所属する文学部の研究棟は今も古いままだ。
研究棟までは少し距離があるが、最近のゼミや卒論の相談をしてたらあっという間に到着した。
部屋のなかに入ると奥のソファに案内され教授が缶コーヒーを出してくれる。
部屋は節電の影響で蒸しあつく、缶コーヒーの冷たさが気持ちいい。
「すみません、いただきます」
「いいよいいよ、研究室くるの久しぶりだよね」
「はい、最近はゼミもしばらく行けてなかったので…すみません」
「この時期の4年生は忙しいと思うし大丈夫だよ」
教授は体をひねって振り返ると、真由に向けてノートパソコンを開き1通のメールをみせる。
「イグジットシステム追加募集のお知らせ」
そこには、IT業界で売上を伸ばしている大手企業の名前があった。就活生にも人気があり、倍率もかなり高いと聞いたことがある。

