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ターゲットはシニア
第5章 その4
「あなた、幾つ?中学生くらいじゃない?」
「はい・・・中学二年生です」
「なんてこと!」
「この子はサヤちゃん。可哀想に、まだ子どもなのに毎日大人の相手させられて。食べ物はインスタントラーメンとパンばかり。だから身体を壊しちゃったんです」
「香織さんだっけ。あなたもしんどそうよ」
「ええ。でも先にサヤちゃんを何とかしないと・・・」
「私に何かできるかしら。恥ずかしいけど、とっても混乱してるの。何がどうなってこんなことになってるのやら、何をしたらいいのか、わからなくて」
声を震わせてそう話すと、涙が溢れてぽたぽた落ちた。
「わかります。同じこと、経験したんですから」と香織さんが慰めてくれた。
それから彼女は私たちの置かれた状況を話してくれた。
まず男たちのことから。中野と名乗っている男は本名を中山と言うんだって。次に三十代の男は金田という名前。私を脅した悪ガキが斉藤寛治。やっぱり中学生で、なんとサヤちゃんの元同級生。もうひとりはブーというあだ名しかわからないそう。
ここの工場の社長さんにお金を貸していたのが中山と金田。ブーは金田の知り合いで、寛治は金田の手下をやってる子。半年前に工場の社長さんが夜逃げして、そのあとに四人がここに住みついたのだという。
「はい・・・中学二年生です」
「なんてこと!」
「この子はサヤちゃん。可哀想に、まだ子どもなのに毎日大人の相手させられて。食べ物はインスタントラーメンとパンばかり。だから身体を壊しちゃったんです」
「香織さんだっけ。あなたもしんどそうよ」
「ええ。でも先にサヤちゃんを何とかしないと・・・」
「私に何かできるかしら。恥ずかしいけど、とっても混乱してるの。何がどうなってこんなことになってるのやら、何をしたらいいのか、わからなくて」
声を震わせてそう話すと、涙が溢れてぽたぽた落ちた。
「わかります。同じこと、経験したんですから」と香織さんが慰めてくれた。
それから彼女は私たちの置かれた状況を話してくれた。
まず男たちのことから。中野と名乗っている男は本名を中山と言うんだって。次に三十代の男は金田という名前。私を脅した悪ガキが斉藤寛治。やっぱり中学生で、なんとサヤちゃんの元同級生。もうひとりはブーというあだ名しかわからないそう。
ここの工場の社長さんにお金を貸していたのが中山と金田。ブーは金田の知り合いで、寛治は金田の手下をやってる子。半年前に工場の社長さんが夜逃げして、そのあとに四人がここに住みついたのだという。