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私たちは、女同士でエッチする
第12章 美雪とセシリア 1
 その日は丁度体育館の改装工場と水道の点検とが行われていた為にシャワーが使えず、前もって告知されていた各員は各々にデオドラントを持参して出来る限り身形を整える様に努めたが、多少ならば兎も角、激しい運動をした者はやはり、その汗を完全に拭い切る事は難しかった。

「でも先生、私・・・」

「ノー・プロブレム、解ってるよ。別に気にしないわ」

 お手本と自分への鍛練も兼ねて部員たちと共にマットやアクロバット等の運動をしつつ、顧問としての指導を行っていた彼女は、少し匂う事を恥じらう少女の気持ちも察してニッコリ笑って制すると、改めて助手席に座る様に促すがセシリアはこの時既に美雪が此処に来た理由やそれまでの葛藤等全てを聞いて知っており、その苦しみは充分に伝わっていた。

 その為に兼ねてから”何とかしてあげたい”と思っており、彼女の身を心配すると共に今回の事も飽くまでその一環としての処置であった筈だったのだが、気が合った二人の車内での会話が思いの外弾んでしまい、変な勢いが付いてしまった事も合間ってつい両親に”友人宅に泊まる”と電話で伝えた女生徒をセシリアはそのまま、自身のマンションへと連れて行ったのだ。

 高級では無いモノのまだ新築で学校からも近く、火災防犯対策も行き届いている洒落た外観の六階建て鉄筋コンクリート、その最上階の右端部分に彼女の部屋は有った。

「入って」

「お邪魔します・・・」

 言われるままに中へと進むと甘いジャスミンの香りと共にゴシック調の内装で統一された、落ち着きのあるインテリア空間が広がっており、1LDKだが各々の間取りが広く、また台所以外の水回りは通路に面しない様に上手く配置してあり、安心して寛げるプライベートが其処にはあった。

 セシリアが出してくれたステーキにノンアルコールのシャンパン、サラダ等を頬張りつつも二人は様々な事を語り合うが女同士の話しは尽きず、時間があっという間に過ぎてしまう。

「そろそろ、シャワーにする?」

 セシリアが問うが彼女達欧米人には”湯船に浸かる”と言う習慣は無く、身体を流すのは専らシャワー、若しくはサウナに入った後の冷水である、この辺りは美雪も戸惑うモノのまさかそんな事を言う訳にはいかない。

「じゃあ済みません、お先に頂きます」
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