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私たちは、女同士でエッチする
第13章 美雪とセシリア 2
「私の国にもあったよ、そう言う話・・・」

 お風呂場での行為を終えた後、更にベッドの中へと移動してそこでも散々な迄にイカされ続けたその後で、ややグッタリとしている美雪の肢体のあちらこちらを撫で回しながらセシリアが語ってくれた所によれば、かつて彼女の所属していた”ブルガリア国立総合学術研究アカデミー”の中等部でも同様の問題が勃発し、最終的には警察や文部省等の関係各省庁を巻き込むまでになったらしい。

 一応、人々を煽動して操っていたグループの中心人物数名を逮捕した事で漸く幕を閉じたこの事件はしかし、様々な形で後々まで影響を与えた、と言う。

「私たちの場合は、アカデミーの”広報部”が絡んでいたんだけどね。全員が関係者って訳でも無かったから一人一人の裏を取るのに時間が掛かったし、それ以外にも元々が閉じた社会で横の繋がりも強かったから色々とガードされたり話の辻褄が合わなかったりで大変だったみたい」

 黒幕の名前は”ゼノ・ガルヴィッド・ヴァンダレク”と言う青年だったが彼は取り立てて頭が良い訳でも容姿に恵まれていた訳でもない、何処にでもいる一般人そのものであり、”なんの面白味も無い人物”と言うあだ名さえつけられていた存在であったがその性格は憂屈しており(家庭環境に問題があった、等と言われているモノの詳細は不明)しかも”気に入らなかったから”と言う意味が良く解らない動悸で同級生の主催するサークルを踏み潰しに掛かったのだ。

 だが容疑者としてリストアップされるまで手間取った事と、最低限の資金やスキル、人脈があった事で事件は複雑且つ広範囲なモノとなり、それが世間の人々の耳目を集める契機となったが、疑いの眼差しや捜査の手が伸びるまでにゼノは次々と先手を打ち、最終的に権力機構と結び付く事で自らのそれまでの活動と存在、及びその指針とを正当化しようとした。

「当時募集中だった文部省のイメージキャラクターに立候補したんだよ。別に広報部自体は怪しい所じゃないし、真面目に仕事をしている奴だっていっぱいいる。それに場所がら、元々が文科省と繋がりを持っていたからね、その部員と言う事もあって選び易かったみたい」
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