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第5章 成長

しまった。
不安にさせた。
「アキ、嫌いになんかならないよ。こんなことくらいで。驚いただけだよ。…ほら、こっちにおいで？」
アキは鳴き声を堪えるようにして首を振った。
そのまましゃがみこんで小さくなって、肩を震わせた。
身体は大きくなっていても、まだ子どもみたいだ。
「ひっ…っく……っく…！」
楓の手がアキの背中を撫でた。
「…泣いててもいいから、聞いててね。
あたしはアキの事を、大切に思ってるよ。もし喧嘩とかしたって追い出したりしない。言いたいことがあったら言わないと相手には伝わらない。どんなに一緒にいてもだ。だから、今アキがあたしに思ってることをぶつけてきたのは正解だ。そうやってもっと仲良くなっていくんだよ。」