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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第6章 【渦巻く愛憎と独占欲に囚われても…】





私からは決して最後の言葉は言わない。
自分からは終わらせない。
自ら気付いて魔法が解けて私から解放されたいと思うまでは面倒を見ちゃう。
だからといって愛が憎しみに変わることもありません。
いつだって、別れも綺麗でありたいですもの。
いいえ、別れこそ綺麗に終わりたい。




つい、泳がせてしまいます。
また戻ってくるように少しだけ手を離す。
それすら受け付けてもらえないのですけど。
その頃には充分沼らせてますから。
抗えなくさせておきながら判断は相手に促す。
卑怯だと言われても何も言い返せません。
それが私の手口なのです。




「あなたほど魅力的な人は初めてだ……もうどうすれば良いのかわからない」




「悟られないように騙し続けてください、2人きりの時以外は私に見向きもしないで、反応したらダメ、完璧な旦那さんを演じてください」




「……………はい」




「前にも言いましたけど、奥さまを抱いてください、精一杯愛してあげることが出来なければ私たちの関係も破綻するものだと思ってください」




「あなたと妻を比べてしまう…」




「比べても良い、でも決して間違えて名前を呼ばないでください」




「もし、妻でイケなかったら…?」




「それは夫婦で話し合ってください、そういう時もこれから出てきますよ?」




「もうずっと、妻をあなただと思って吐き出しています……最低だとわかりながら止められない」




「はい、そうならないかなって思ってました……私も最低です、あなたよりもずっと」




零れ落ちる涙を拭ってあげました。




「あなたをこのまま愛し続けても良いですか?」




「演じきれますか?」




「あなたと離れることの方が怖い」




ギュッと抱き締めて頭頂部にキスを落とす。




「さっきみたいに苛々する私でも良いの?」




「教えてください、私の悪いところ全部直しますから」




「突然帰ってって言われても平気なの?」




「そういう時は素直に帰った方が良いですか?間を空けてしまうと死ぬほど不安になるんだ、怒らせたまま離れたくない」






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