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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第6章 【渦巻く愛憎と独占欲に囚われても…】





彼の提案で自身が限界を迎えた時は寝室の窓辺に小さな鉢植えのサボテンを置くという可愛いサインが加わることになりました。
それを受け入れて帰す時も。
何度も振り返り玄関先で抱き締められる。




「私が帰った後、ホッとしますか?」




らしからぬセリフにクスッと笑ってしまいます。
今日は弱気なあなたが新鮮です。
そう伝えたら耳まで赤くして。
やっと決意してノブに手を掛けたあなたの服の裾を抓んでしまう私も何がしたいのでしょうね。




「まだ、足りてなかったかも……中岸さんはキス…足りてました?」




振り向いたあなたを潤んだ瞳で見上げてる。
こんなことも容易く出来ちゃう私を見抜いて騙されてるフリをしているのか。
はたまた本気で騙されているのか真相はわかりません。
ただ、熱く絡み合う舌先でどれほど想われているか伝わってきます。
安心材料のひとつとして、私が仕掛ける罠なのです。




「行ってください、ずっとこうしちゃう」




お互いの生活の為、心を鬼にする時。
渋々納得してあなたを見送る。
ドアが閉まれば一瞬にして素に戻るのに。
最上級に悪いオンナを演じきれました。




すぐにまたインターホンが鳴って忘れ物?とドアを開けた。
“中岸さん”と口走らなくて良かった。
何故なら、立っていたのは待ちわびていた人物だったから。




「一颯くん……」




私の顔を見るなり抱き寄せてきて押し倒すように唇を奪われました。
中岸さんのすぐ後だったので少し気が引けて押し返す。




「どうしたの?」




拒まれたと勘違いした一颯くんは靴を脱いで私の手を取り2階へと上がる。
グイグイ引っ張られて様子が変だ。
もしかしたら隣人が居たことに気付いているかも。
シャワーを浴びる暇もなかった。
匂いフェチな一颯くんだからすぐにわかってしまうだろう。




案の定、連れて行かれたのは寝室。
出窓のカーテンを全開にして外の明かりが部屋を明るくさせる。
ベッドに押し倒されて激しくキスしてくる一颯くんに抵抗しようとしたけど、こうされてしまう理由もわからなくはないから様子を見ることにする。







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