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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第6章 【渦巻く愛憎と独占欲に囚われても…】





「ハァハァ、僕もイクっ……出る…っ」




根元まで挿入って小刻みに痙攣してる。
力尽きて覆い被さり、優しくそれを受け止める。
重なる身体は息を整えるまで離れない。




事後にはいつも思う。




ごめんね、不倫で。
一番に愛してあげれなくてごめん。
同じ家に帰れなくてごめん。
一緒に過ごす時間が短く限られててごめん。
不安をいっぱい抱えさせてごめん。
本当、何でキミじゃダメなんだろうね。
こんなに愛し合えたのに。




私の身体を好んで、
たくさんセックスして悦んでもらって、
たくさん愛を囁やき合ったはずなのに。




ごめんね、
セックスの相性は良くて
長年、誰かしら虜にしてきたけど、
私、本当は欠陥だらけだ。
気付いた時にはもう遅かったの。
愛してあげれるのもセックスに辿り着くその時まで。
終わればその気持ちをMAXで居続けるのは難しい。




無言で下着をつける私に触れてくる手を退ける。
ダメよ、とか言いながら甘えようとするキミに別れ際何て言おうか考えてる。
服を着て、まだ下着だけのキミとキスをして優しく微笑むの。




不貞行為はもう終わりの時間。
元の生活に戻らなきゃ。




「また連絡するね」




「僕からもして良いですか?」




「一番に会いに行くよ」




その場しのぎの言葉だとキミも理解してるだろう。
それでも嬉しそうに笑うキミを最後、抱き締める。




「良い子で待ってて」




「はい」




名残惜しい素振りで何度もキスをして別れた。
まだ外は明るい夕方の時間帯。
ヤリスクロスに乗った瞬間、携帯は鳴った。
運転しながらイヤホンで出る。
勿論、相手は和泉くんで。




「どうしたの?もう寂しくなった?」




___あの、ピアス忘れてます




「んふふ、知ってる、わざとなのも気付いてるくせにわざわざ掛けてくるんだね」




___わざと、ですか?追いかけようとしたけどやめました




「そうなんだ?偉いね、踏みとどまれて」




誰かに見られたらって考えてくれたの?
残念ながら夫は全て把握してるけどって言ったら動揺するでしょうね。
私も逆だったら背筋が凍る思いをするわ。







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