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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第9章 【交錯する愛をあなただけに…】





「えっと………またママに車借りようかな、と思って……来たんだけど」




すかさず服を着て「今日は帰ります」と慌てて奥さまは帰って行きました。
居ても立っても居られなくなったのでしょう。
まさかここで娘が帰って来るとは。




「亨パパが出張中だから堂々と浮気してるのかなって思ってそーっと帰って来たんだけど、意外………そっちに目覚めちゃったんだ?ママ」




「そ、そうじゃないけど……」




「ふーん」




どこから見てたの?なんて聞けやしない。




「お隣さんだよね?何度か挨拶したことあったから覚えてるけど」




「う、うん……」




「旦那さんだけじゃ物足りなくなったんだ?」




「そ、そうじゃなくて……」




はぁ、どこまで話せば良い?
出来れば一番知られたくなかった。
近付いてくる娘の有紗にビクついてしまう。




「ママ、シャワー浴びたら?変なメスの匂いがする」




「え?あ………うん、わかった」




車のキーを渡すとご飯は要らないと言ったのでシャワーを浴びてるうちに帰るんだろうと思った。
とんぼ返りだったのか。
久しぶりに会えて嬉しいはずなのに、変なところ見られちゃった。




「お願い、このことは……」




「一颯ニィには言わないでってことでしょ?あと亨パパも?」




「うん……」




亨さんには全部バレてるけどわざわざ一颯くんには知らせなくても良いことだから。




「それに、理玖も?」




「あ………ハイ」




「ひどーい、今、理玖のこと忘れてたでしょ?」




「そんなことないよ、ごめん、今、頭の中ぐちゃぐちゃ……」




「まぁ、良いけど、早く入って来てくださーい」




娘の前で、母親が他の女の人とクンニし合ってるって有紗はどう思ったのかしら。
いつも普通とはかけ離れた考え方をする子だからまたネタにでもされるのかな。




シャワーを浴びて出て、タオルドライしていると有紗が入って来た。




「え?帰ったかと思ってた」




「綺麗になった?身体」




「え?うん……」




「タオル外して?」




スキンケアする為にまだタオルの下は裸のまま。
アップにしていた髪留めを取られて巻き髪が下りる。








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