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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第2章 【愛しき人たちに囲まれて幸せなのです…】





四六時中セックスをしていると、女性ホルモンが過剰に分泌されるのか、甘い蜜で呼び込んでしまうのか。
その辺はよくわかりませんが、とにかく引き寄せてしまうみたいです。
こんなことはよくあることではないのですが、たまたま偶然なのか、或いは必然だったのか。




走り出して少ししたらガソリンランプが点いてしまった。
そう言えば最近給油してなかったっけ?
あぁ、有紗かしら。
何度か借りていった事があった。
すぐ目についたガソリンスタンドへ入る。




指定された場所に停めて運転席の窓を開けた。
レギュラー満タンで……とお伝えしたらフリーズなさっていて。
知り合いだったかしら?と一瞬記憶を辿ってみたけれど思い当たらない。
「あの……?」と言うとハッとして被っていたキャップ帽を深く被り直した彼。




「レギュラー満タンですね」と動き出してくれたが、またヤっちゃったわね…と自覚してしまう。
一生懸命車を拭いてくれてクレジットカード払いしたのをお返ししてもらう。
車内のゴミはないかと聞かれたけど笑顔で交わしたら爪痕は残せるのかしら……なんてね。




自意識過剰なのかも知れません。
でも、そんな顔を真っ赤にされては勘違いするのも仕方ないわよね。
こんな歳の離れたオバサンにドキドキしてもらえたらそれはそれで嬉しいの。
初めて入ったガソリンスタンドだけど収穫は有りだった。




まだ何か言いた気だからフリーズして見つめ返してあげる。
「ありがとうございました」ってこっちから言って車を出そうとした。
車道へ誘導までしてくれて、車内からまた微笑んで頭を下げる。
ほんの一瞬過ぎてまだ名前も知らない。
名札なんてジッと見ないし。




また此処に来れば会えるのかしら?
その確率はどのくらい?
まぁ、そんな奇跡みたいなことは早々起きないわよね。
こうして色んな場面で罠を張り巡らせるの。
ふとした時に必要ならそれなりに愛してあげる。
不毛な恋だとわからせた上で転がしてしまうのは罪なのにね。




美容院へ行ってネイルも綺麗にしてもらってからある人とシティホテルで逢瀬へ。









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