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 縄師-Ⅱ 中・高編
第1章  縄師-Ⅱ ごっこの終わりから

  縄師-Ⅱ 中学編

 体育館で入学式が終わったあと、2年になった千鶴が俺を呼んだ。

 千鶴は相変わらず『神秘的な美少女』のオーラを漂わせている。
 
 「あのねリョウ、さっきリョウを見た奴がさ、リョウを紹介しろってうるさいのよ」

 千鶴の同級生女子が、「あの子かっこいい」といって指差したのが俺だったらしい。

「ああ。あれ弟。本当は遠い親戚なんだけど、小さいときから近くに住んでるから弟よりも弟なんだ」

 千鶴がそんな風に俺の事を言ったとたん、紹介しろといいだしたという。

「弟君ってー」
 リホ(佐江里穂)という女子が話しかけて来た。

「すっごくかっこいいし、綺麗だよね。私、一つ上だけど、いろんなこと教えてあげるからさ。彼女いないんだったら彼になってくれないかな」

 俺が「嬉しいんだけど」と言うのと同時に千鶴が「無理だと思う」と言った。

「リョウはこう見えてすっごいサドだし喧嘩っぱやいから、リホじゃ無理。泣かされるよ」

「えー。見えないよ。ちづ、独占してる? 彼氏作らないのは弟君がいるから?」

「別に~。独占する必要は無いし、紹介はした。あんたの願いはきいてあげたし警告もした。あとは自己責任って奴でお願い」

 千鶴は俺の肩をポンと叩くと、ニマッと笑って帰って行った。


 千鶴の言った言葉を、まだ疑わしそうにして俺を見ている佐江に声をかける。

「リホさん。付き合うって事はエッチもいいってこと? それだけの覚悟して言ってます?」

「わ。弟君、露骨。そんなじゃ女の子に嫌われるよ」
「フっ」
 俺は小馬鹿にしたように鼻で笑う。

「女の子に嫌われるって?……。別に好かれたいほどの女子いませんから。嫌われるの上等じゃないですか。リホさん。俺が付き合うって言ったらどうするの? デートして買い物したり映画見たり、一緒に勉強したり?ですか。 俺は優しくないし、奢ったりプレゼントの交換もしませんよ。それでエッチもしないんだったら二人でいる意味あるのかな」

極端な俺の言葉に佐江は言葉を詰まらせる。

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