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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第4章 オフィスメイド 二宮 由紀

 翌朝、落ち着いたこげ茶色の紬に、割烹着を着けて、布団の脇に正座した由紀は、青山に、 「ご主人様・・・ご主人様」 と、声を掛けた。東向きの窓の障子が、朝日で眩しかった。目覚めた青山に、由紀は、 「ご朝食の用意が出来ました。」 と続けると、 青山は上体を起こし、 「有り難う、由紀さん。昨夜は乱暴なことを我慢してもらって、済まなかったね。お陰でね、今朝は、落ち着いた気持ちで仕事に戻れるよ。」 と、礼を言った。 由紀は、 「お役に立てて、良かったです。あのう・・・実は、私も楽しかったりして・・・。」 と答えて、恥ずかしそうに、両手で顔を覆った。 青山は、その様子を見て思わす笑いながら、洗面に立った。

 元々は、台所から続く居間だった所が、洋間に改装され、大きな食事テーブルが置かれている。由紀は、予め青山家のコックから連絡されていたとおりに、台所に用意されていた食材で、英国風の朝食の仕度をした。青山は、テーブルに運ばれたアールグレイのミルクティーとトーストや、スモークド・ベーコンのオムレツ、白いんげん豆のトマト煮などを一目見て、 「朝食にも気を遣ってくれて。本当に、心が休まるよ。」 と言ってから、由紀にも、一緒に食べるように勧めた。食事が終わると、青山は、沈黙のまま由紀の手を取って抱き寄せ、優しくキスをした。
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