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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第6章 オフィスメイド 吉村 麻衣
1週間後、夜の9時、会議室では、吉田や、吉田家の税理士と、ニューヨークの投資銀行の責任者との打合せが始まった。吉田家が保有する米国国債の運用についての打合せで、土井のほか、通訳として森本沙織が吉田を補佐したが、その横には、麻衣も、業務研修で同席した。打合せが終わったのは、10時半頃だった。沙織が、吉田家の税理士を玄関まで送り、ほどなく、土井も、吉田に挨拶して退室した。
部屋には、吉田と麻衣だけが残った。麻衣は、恥ずかしそうに、無言で下を向いたままだったが、吉田が明るい声で 「麻衣さんは、新入社員だそうだね。今晩は、よろしくね。」 と、声をかけると、頭を持ち上げ、少し微笑んで、 「私、初対面の方には緊張しちゃって。すみません。今、お茶を淹れ直しますね・・・。あっ、もうオフィスメイドの時間ですね。何か、お酒をご用意いたしましょうか。」 と、小さな声で話し始めた。