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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第1章 土井社長 ~ 神戸国際投資顧問会社の秘密
西島が話を切り出した。 「今日お時間を頂戴しましたのは、会葬のお礼は勿論なんですが、土井さんから少しお話を伺いしたいこともありまして。 ・・・実は、父から <自分に何かあっても、会社の方は、もう20年以上もお前と一緒に仕事をしてきたので、安心しているんだが、西島家の個人資産のことは、お前には殆ど話をしてこなかった。そちらの方は、お前の祖父さんの代から神戸国際投資顧問会社に一切を任せてあるので、そこの土井社長を信頼してご指導を仰ぎなさい。>と言われたんです。」
「左様でしたか。・・・仰るとおり、西島家の個人資産の管理運用について、当社がコンサルさせていただいております。順を追ってご説明しましょう。」 土井は、背筋を立て、改まった口調で続けた。
「西島家は、明治時代にヨーロッパへの絹織物輸出で財を成されたわけですが、当時のご当主に先見の明があったということでしょう。利益を国内に持ち帰って贅沢をするようなことはなさらずに、スイスの投資銀行と契約して、資産の管理運用を続けられました。おかげで、20世紀初めの大恐慌や、太平洋戦争後の国内の混乱を無事に乗り切り、代々、資産を引継いで来られました。その後、昭和30年代後半ころから、海外資産への課税が次々と強まったこともあり、資産の継承には高度な専門知識が必要になってきたんです。」 土井の話しに、西島が身を乗り出した。土井が続けた。
「左様でしたか。・・・仰るとおり、西島家の個人資産の管理運用について、当社がコンサルさせていただいております。順を追ってご説明しましょう。」 土井は、背筋を立て、改まった口調で続けた。
「西島家は、明治時代にヨーロッパへの絹織物輸出で財を成されたわけですが、当時のご当主に先見の明があったということでしょう。利益を国内に持ち帰って贅沢をするようなことはなさらずに、スイスの投資銀行と契約して、資産の管理運用を続けられました。おかげで、20世紀初めの大恐慌や、太平洋戦争後の国内の混乱を無事に乗り切り、代々、資産を引継いで来られました。その後、昭和30年代後半ころから、海外資産への課税が次々と強まったこともあり、資産の継承には高度な専門知識が必要になってきたんです。」 土井の話しに、西島が身を乗り出した。土井が続けた。