この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater7.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
繋がり
第2章 兄と妹
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「お兄ちゃん?!痛いよ?」
俺は藍をひっぱって、屋上の隅で足を止めた。
そして人影がないのを確認して、藍の手を離す。
「どうしたの?」
「………………」
「蒼?」
藍が俺の顔をのぞきこむ。
俺は藍から目をそらしながら、ポツリと呟いた。
「母さんから………聞いたよ」
藍の表情が強ばったのがわかった。
ごめん、藍。
聞いてしまった。
君が隠していた事を。
知られたくなかったことを。
俺は、聞いたんだよ。
無神経に、お前じゃなく母さんに。
嫌いになるか?
怒るか?
どっちでもいい。
俺を責めてくれ。
なんで、聞いたんだって。
なんで、踏み込んできたんだって。
なんで、直接じゃないんだって。
問いただしてくれよ…
それで
お前は
俺の事を嫌いにならないかな
そしたら少しは楽になるかもしれない。
お前に嫌われたなら
もうお前が傷つく心配はないんだ
だから
嫌ってくれ…
頼むから…
![](/image/skin/separater7.gif)
![](/image/skin/separater7.gif)