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繋がり
第2章 兄と妹
「お兄ちゃん?!痛いよ?」
俺は藍をひっぱって、屋上の隅で足を止めた。
そして人影がないのを確認して、藍の手を離す。
「どうしたの?」
「………………」
「蒼?」
藍が俺の顔をのぞきこむ。
俺は藍から目をそらしながら、ポツリと呟いた。
「母さんから………聞いたよ」
藍の表情が強ばったのがわかった。
ごめん、藍。
聞いてしまった。
君が隠していた事を。
知られたくなかったことを。
俺は、聞いたんだよ。
無神経に、お前じゃなく母さんに。
嫌いになるか?
怒るか?
どっちでもいい。
俺を責めてくれ。
なんで、聞いたんだって。
なんで、踏み込んできたんだって。
なんで、直接じゃないんだって。
問いただしてくれよ…
それで
お前は
俺の事を嫌いにならないかな
そしたら少しは楽になるかもしれない。
お前に嫌われたなら
もうお前が傷つく心配はないんだ
だから
嫌ってくれ…
頼むから…