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繋がり
第3章 消えない過去
藍side
母さんから…聞いたよ?
何を?なんて、聞くつもりもない。
決まってる。
蒼がこんな顔をすることなんて。
実の父親にされたことについてだ
ついに、蒼にまで知られたんだ…
蒼、軽蔑したよね。
だって私は傷物だから…。
お父さんにヤられるような、女なんだから…
あの日のことは忘れることはなく
今もハッキリと覚えてる。
蒼の顔をただ黙って見つめる
目をそらし続ける蒼。
もう、目もあわせたくないのかな…
そう思ったとき、私はずっと隠してきた真実を
口に出した。
「………あの日、私は学校から帰ってきて、テレビを見てた…」
蒼の視線が私をとらえ、またすぐ反らした。
「………蒼……これから言うこと…たぶん、ひくぐらいなことだと思う…軽蔑したなら、構わないけど…でもせめて、理由は聞いて」
「…軽蔑なんてしないさ………約束する、君の苦しみを知ったら、必ず、守ってみせる」
必ず守る、か。
胸が熱くなるのをこらえて、ゆっくりあの日の事を話し出す
あの、冬の日。